2024年のEC4大プラットフォームの売上高は前年比40%増、ショッピーとTikTokショップが牽引

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年04月24日

2024年のベトナムの電子商取引(EC)市場は、活況を呈している。ベトナムのEコマース調査会社You Net ECI発行の「2024年第4四半期のECプラットフォーム収益レポート」によると、ショッピー(Shopee)、ラザダ(Lazada)、TikTokショップ(TikTok Shop)、ティキ(Tiki)の4大プラットフォームの2024年の売上高は前年比40%増の138億2,000万ドルを記録した。

4大プラットフォーム売上高に占めるシェアは、ショッピーが66.7%(売上高は前年比41%増、注)、TikTokショップが26.9%(99%増)、ラザダが5.5%(39%減)、ティキが0.9%(43%減)で、ショッピーとTikTokショップで全体の約94%を占める。この上位2者のプラットフォームの大きな成長により、ECの4大プラットフォームの2024年の成長率は40%と、2024年の小売り・サービス売上高の前年比9.0%増を大幅に上回った(2025年3月26日記事参照)。

2024年のECプラットフォーム全体の取引額の上位3品目(シェア)は、ファッション&アクセサリーが26.5%、日用消費財(FMCG)が16.6%、家庭用電化製品、電気製品が15.8%だ(添付資料表1参照)。特にFMCGが前年比62%増と、ベトナムのEC市場を牽引している。

ベトナム商工省によると、2024年のEC市場売上高は前年比20%増の250億ドルで、小売り・サービス売上高の全体の8%を占め、ASEANの中ではインドネシア(650億ドル)、タイ(260億ドル)に次ぐ第3位だ。2025年までに同売上高は450億ドルに達すると予想されている。2023年の世界の小売り全体に占めるECの割合は19.4%だが、ベトナムは2025年までに10%、将来的に20%以上を目標としている。2018年と2023年を比較すると、EC市場売上高は約2.6倍に増加、ECを利用した1人当たりの年間購入金額は約7割増の336ドルに増加した(添付資料表2参照)(ベトナム政府電子版1月7日、「タイチン」紙電子版2月22日)。

ベトナムでは2024年の電子商取引による税収は前年比で20%増加し、116兆ドン(6,380億円、1ドン=約0.0055円)に達した。2024年11月に改正された税務管理法では2025年4月1日以降、個人や事業者に代わってECプラットフォーム事業者が税金を納税する責任を規定していた。しかし、ベトナム電子商取引協会(VECOM)が、ECプラットフォーム事業者による税額控除・納税規制の実施時期を2025年4月1日から7月1日に延期するよう国会に公式書簡を送り、現在は検討が進められている(VNエコノミー3月26日)。

(注)ショッピーのEC売上高のシェアは2024年第1四半期~第4四半期全てで60%超。

(新田和葉、ティエン・グエン)

(ベトナム)

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