ドバイで「Dubai AI Week 2025」開催
(アラブ首長国連邦)
ドバイ発
2025年05月12日
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで4月21~25日、「Dubai AI Week 2025」が開催された。同イベントは、ドバイでさまざまなセクターに人工知能(AI)導入を加速させ、生活の質向上や経済成長の後押しを目指すことを目的に開催された。今回が初の試みで、世界100カ国から1万人超が参加した。参加者は起業家や政策立案者、規制当局、投資家、技術者など多岐にわたる。
期間中は、100万ディルハム(約3,952万円、1ディルハム=約39.52円)の賞金をかけたピッチコンテスト「Global Prompt Engineering Championship」や、AIの次の時代を定義するというテーマの「Dubai AI Festival」、次世代人材へのAIスキル習得を目的とした「AI Week in Schools」などが開催された。
Dubai AI Festivalの入り口(ジェトロ撮影)
ドバイ国際金融センター(DIFC)でアクセラレーションプログラムを提供するDubai AI Campusと、ドバイ政府機関のDubai Civil Defense(DCD)共催で選定した3社が災害対策の課題解決のためのAI技術を展示した。
3社のうち1社、カナダのDarkhorse Emergency社長のダニエル・ヘイト氏は「ドバイの災害対策課題のうち、火災事故の高リスク地域予測のAI技術が評価され、受賞に至った」と語った。
Dubai AI Campusのブース(ジェトロ撮影)
日本のスタートアップVirufyは、スマートフォンを通じて肺疾患を診断するAIソリューションを展示した。
ドバイ首長国では、2021年に掲げた「ドバイAI戦略2031」で、教育やサービス、地域福祉などをはじめとするさまざまな産業分野にAIを取り入れ、2031年までにAIで世界の主導的地位に立つという目標を掲げている。AI戦略には、次の8つの具体的な目標を示している。
- AI拠点としての評判を築く。
- AI活用を通じて、優先分野でUAEの競争力を強化する。
- AIのための豊かなエコシステムを構築する。
- 顧客サービス全体にAIを導入し、生活と行政の向上を図る。
- AIによって可能になる将来の雇用に向けて、人材を誘致・育成する。
- 世界をリードする研究能力を対象産業と連携させる。
- AIのテストベッドとなるために不可欠なデータと支援インフラを提供する。
- 強力なガバナンスと効果的な規制を確保する。
ドバイ首長国政府はこれらの目標に基づき、AI関連スタートアップ企業の支援などを積極的に実施している。
(ガーダ・アシュラフ、岡田美里)
(アラブ首長国連邦)
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