EAEU・イラン間で恒久的なFTAが発効
(ロシア、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギス、イラン)
調査部欧州課
2025年05月16日
ロシアなどが加盟するユーラシア経済連合(EAEU)とイランの間で恒久的な自由貿易協定(FTA)が5月15日に発効した。EAEUとイランの間では2019年10月に施行された暫定的なFTAが存在しており、今回の協定はこれに代わるもの。
暫定協定では特恵関税の対象が一部の農業・工業製品に限定されていたが、対象品目が拡大される。恒久的な協定では、全品目のうち約90%の品目で関税が撤廃される。ユーラシア経済委員会によると、EAEUからイランに輸入される際に適用される関税率の平均は20%から4.5%に低下する。2022年のEAEUとイラン間の貿易額が62億ドルのところ、恒久的なFTA発効により120億ドルに拡大すると見込まれている。
EAEUとイランとは2019年10月に暫定的なFTAが発効していた。その後、FTAの恒久化についての交渉が2021年11月に始まり、2023年12月にEAEU加盟国とイランの間で恒久的なFTAが署名された(2023年12月28日記事参照)。
EAEUは、グローバルサウス諸国とのFTA網拡大を進めている。2024年12月に、アラブ首長国連邦(UAE)との経済連携協定締結交渉が完了した。EAEU側は2025年中に締結することを期待している。2025年5月14日には、モンゴルとの暫定FTA締結交渉が完了、協定文書案が承認された。
(浅元薫哉)
(ロシア、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギス、イラン)
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