遼寧省、第1四半期のGRP成長率は5.2%、全国平均を下回る

(中国)

大連発

2025年05月13日

中国・遼寧省統計局の4月18日の発表によると、2025年第1四半期(1~3月)の同省の域内総生産(GRP)は7,606億9,000万元(約15兆2,138億円、1元=約20円)、実質GRP成長率は前年同期比5.2%となった(添付資料表参照)。成長率では中国全体平均(5.4%、2025年4月22日記事参照)を0.2ポイント下回ったが、同局は「遼寧省の経済は安定しながら成長している」と評価している。

主要経済指標をみると、一定規模以上の工業企業(注1)による工業生産増加額は前年同期比3.6%増だった。産業別にみると、「製造業」「電力・熱エネルギー・ガスおよび水の生産・供給業」「採掘業」がそれぞれ0.8%増、4.9%増、19.3%増のプラス成長だった。製造業のうち、自動車製造業が5.0%減となった一方、電気機械・器材製造業(13.7%増)、コンピュータ・通信・その他の電子設備製造業(16.1%増)、鉄道・造船・航空宇宙・その他輸送機器製造業(38.9%増)はそれぞれ2桁増となった。また、製品別に生産量をみると、民間鋼船(約3.5倍)の増加が目立ったほか、集積回路(5.1%増)、工業ロボット(4.7%増)なども微増した。自動車の生産台数は19.9%減の18万台だった。

固定資産投資は前年同期比7.8%増だった。不動産開発投資が依然として減少している(前年同期比22.7%減、2024年通年では前年比20.0%減)ものの、製造業の投資が13.2%増となっている。

社会消費品小売総額(消費)は6.7%増で、一定規模以上の企業(注2)の小売りのうち、家電・AV機器類(86.4%増)、建築および装飾材料類(78.1%増)と通信機器類(38.9%増)、新エネルギー車は22.5%増となった。遼寧省統計局は、消費促進措置の効果が見られたとしている。

貿易総額は前年同期比2.5%増の1,848億元で、全国平均(1.3%増)の伸びを上回った。日本との貿易総額は2.5%増だった。また、輸出商品別では、鋼材(14.6%増)、基本有機化学品(18.1%増)、船舶(54%増)が輸出のプラス成長を牽引した。輸入商品別では、原油(21.1%増)などが2桁増となった。

(注1)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。

(注2)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の卸売企業、その年の主な業務による売上高が500万元以上の小売企業、その年の主な業務による売上高が200万元以上の飲食および宿泊企業。

(李穎)

(中国)

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